目安は〝ふだん着より少し上〟で、小ぎれいな服
料亭でのお座敷遊びに何を着て行ったらいいのか迷う人も少なくないようです。あくまでも「遊び」――料理とお酒をいただきながら、芸者衆の踊りを見たり、会話を楽しんだり、ゲームで遊んだりする場なので、堅苦しい服装や、かしこまった格好をする必要は全くありません。
とはいえ、あまりにくだけすぎた格好では浮いた存在になってしまう危険も――。料亭のお座敷は、隅々まで掃除が行き届き、季節の花が活けられ、貴重な掛け軸や絵や書が飾られた心地よい状態で、お客さんを待っています。そこに足を踏み入れ、身を置くにふさわしい、ある程度きちんとした小ぎれいな服装が望ましいと思います。
居酒屋に行くのとは違う、多少の緊張感をもって〝ふだん着よりも少し上〟の感覚で着ていくものを選ぶと、自分自身も周囲も違和感なく、心置きなく楽しめるのではないでしょうか。
男性も女性も、和服を嗜む方はぜひ和服でどうぞ。芸者衆と着物談義で盛り上がることでしょう。
基本的には一人一人の感覚と常識の範囲で判断することですが、たとえば短パンによれよれのTシャツ、肌を露出しすぎた格好などは、私の感覚ではNG。自分が心地よくても周りが眉をひそめるような恰好は礼儀を欠いているといわざるをえず、避けたほうがよいでしょう。
お座敷に限らず、そこに何を着て出かけるかは、相手に対する思いの表れだといえます。
実は、お座敷に上がるときに一番気をつかわけなければならないポイントは「足下」。すべての人に知っておいてほしい、とても大事なこの話は、マナーとコツ⑥で!
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