<東京・新橋>第96回「映像の東をどり」開催

●「新橋のまちを〝東をどり元気にする」

昨年の東をどりはコロナ禍で中止。今年5月の開催もかなわなくなったとき、東京新橋組合の岡副真吾頭取は「中止」ではなく「延期」と発表した。
 コロナはまちから仕事を消したけれど、新橋にはまちを元気にするものがある。「東をどり」だ――。
 そんな思いで出来上がった初めての挑戦「映像の東をどり」。

芸術的な映画を見ているようだった。

 実際の視点と異なるカメラワークのせいだろうか、屏風、軸、襖絵、双幅、生花といった室礼が花柳界のお座敷の重要な要素であることをあらためて強く感じた。
 …と思って再度プログラムを見ると、曲名の下に「立方」「地方」と同等の扱いで「室礼」が記されているではないか。
 まさに映像の東をどりは、料亭とお座敷と庭と室礼と、新ばし芸者衆の競演だった。
それにしても、光琳の屏風にも大観の襖絵にも負けない堂々たる新ばし芸者の存在感――。
この世界と少しでも関わってきてよかったと心から思えた。

もう一度、いや何度も、大きなスクリーンで見たい。

*映像オンライン配信および、Blue-Ray発売に関しては、東をどり公式ホームページにて案内予定。
第九十九回 東をどり – 新ばし白花繚乱