昔も今も、坂と路地と石畳に芸者衆が映える町
●地形と住人に恵まれ、天災を免れた幸運な花街
*2007年 執筆 拙著 『東京六花街 芸者さんに教わる和のこころ』 (ダイヤモンド・ビッグ社 )より抜粋(下線部)
昭和初期、「花街の中に山あり谷あり」「あたかも玩具箱(おもちゃばこ)をひっくりかえしたような感じ」(『全国花街めぐり』昭和4年発行。松川二郎著)と描写された神楽坂花柳界(別称・牛込花柳界)。その隠れ家的な雰囲気は、花街として大きな魅力だった。
戦災で町が焼け、開発でビルが建っても、地形は残る。だから今も神楽坂は、花街らしい風情を残し、坂と路地と石畳に芸者が映える町だ。