カテゴリー別アーカイブ: <東京花柳界>取材記

<東京・八王子>花柳界を舞台の「地域発ドラマ」、置屋で撮影開始。NHKBSプレミアム

八王子ならではの〝花柳界物語〟、今秋放映予定。

仮のチラシ。詳細は番組HPを参照ください。
仮のチラシ。詳細は番組HPを参照ください。

●「八王子まつり」での舞台・「宵宮の舞」がクライマックス?

ここ15年ほどの間に、若い芸者衆が増え、途絶えていた花街の行事も復活し、若手が新たな置屋を開業するなど右肩上がりで勢いを増している八王子花柳界。昨年3月には念願だった第一回「八王子をどり」の開催も実現しました。

東京の多摩地区で唯一残るこの花街は最近、新聞・雑誌はもとより、八王子を紹介するテレビ番組では必ずといっていいほど取り上げられ、全国的な知名度も少しずつ上がってきています。

2015年4月13日にはNHKBSプレミアム「TOKYOディープ!」で八王子芸者衆の日常と仕事が紹介されましたが、この度、八王子花柳界を舞台としたドラマ「東京ウエストサイド物語」の制作が決定。先日、キャストが発表され、歌手で八王子観光大使でもある北島三郎さんの出演も話題になっています。

今週から置屋「ゆき乃恵」での撮影が開始。放映は今秋予定とのこと。

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<東京・芳町>「芸者とお座敷遊び体験」。毎月第2土曜日開催(日本橋・橋楽亭)

外国人も見ず知らずの人も意気投合。お座敷に一体感を生むゲーム

芳町イベント投扇興

●投扇興。落ちた「蝶」に湧き上がる歓声

2015年6月13日(土)、日本橋三越前の商業ビル「コレド室町3」3階の和室「橋楽亭(きょうらくてい)」に、わーっと沸きあがった歓声と大きな拍手。両手を挙げて喜びを全身で表すのはフランス人男性の観光客。芳町(よしちょう)の芸者衆がもてなす「芸者とお座敷遊び体験」で行われたゲーム、「投扇興」の一コマです。

投扇興は、二人で交互に扇を飛ばして木製の台の上の駒(蝶という)を落とし、点数を競い合う優雅なお座敷遊び。江戸時代に遊興場や酒席の遊びとして大流行しました。

投扇興点数表アップ正式には、落ちた扇と蝶の位置関係(銘という)に応じて点数が決められ、銘にはそれぞれ源氏物語の巻の名がつけられています。右図のような珍しい銘は点数が高く、とくに奇跡的ともいえる「夢浮橋」「篝火」には50点の最高得点がついています。

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<東京・浅草> 毎回満席「お座敷おどり」② 観音裏の芸者衆が、〝表〟で踊る意味

知名度をさらに上げた浅草芸者。次は、お客さんを観音裏へ。

お座敷おどり 全体風景

●浅草寺の裏手に静かに広がる浅草花柳界

「浅草に芸者さんがいるのは知っているけれど、見かけたことがない。一体どこにいるのだろう……」と不思議に思う人も少なくないかもしれません。実は浅草の花柳界は、人々が観光目的ではまず足を延ばすことのない場所にあるのです。

そこは浅草寺観音堂の裏手――通称「観音裏」。台東区浅草3丁目を中心とするこの一帯は、観光客で年中賑わう雷門や仲見世あたりとは趣きが大きく異なり、静かで人影もまばらな界隈です。

観音裏のメインストリート・柳通りには見番(東京浅草組合=料亭と芸者置屋で構成する花柳界の組合事務所)があり、現在、料亭(芸者衆を呼ぶことのできる店)は8軒。25名の芸者衆(他に来週6月16 日にお披露目をする新人さんや見習いさんがいます)、7名の幇間衆(たいこもち)が日々、お稽古に励みお座敷を務めています。

4シーズン、全68公演、のべ約7000人が入場

浅草お座敷おどり パンフ

このように、ふだんは観音裏を拠点に活動する芸者衆が、いわば〝観音表〟の雷門前に出向き、区立の会場で一般のお客さんや観光客の前で踊るところに、「お座敷おどり」(主催:浅草観光連盟 後援:台東区・ときめきたいとうフェスタ)というイベントの価値と意味があります(詳細は上のチラシでご確認ください)。「入場無料」という思い切った設定も、これまで花柳界に縁のなかった人や将来芸者さんになりうる若い女の子たちなど、幅広い層に向けて浅草芸者の存在をPRするという目的ゆえ、でした。

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<東京・浅草> 期間限定「お座敷おどり」①。6月と7月、各3日×2回公演開催

観光のメッカ・雷門前の浅草文化観光センターにて。入場無料(整理券配布)

浅草お座敷おどり パンフ

●踊りとゲームと記念撮影。外国人も大感激

多くのお客さんに浅草芸者の存在と魅力を知っていただきたい――。そんな思いで、2013年秋から春秋の期間限定でスタートした入場無料の画期的なイベント・浅草芸者の「お座敷おどり」(主催:浅草観光連盟 後援:台東区・ときめきたいとうフェスタ)。

4シーズン目となる2015年春は、4月に2日間開催し、5月は三社祭のためにお休みしたあと、再び6月、7月に各3日間土曜日に行われます。(開催日、時間、会場、整理券配布等の詳細は上のチラシ画像をクリックしてご確認ください)

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<東京・新橋> 行ってきました「東をどり」② 芸者衆の魅力はギャップである

梅の香りか、桜の色か。人それぞれの『梅ごよみ』 (2015年5月23・24日)

東をどり 会場内ポスター

●舞台を見るたびに湧き上がる、芸者衆への敬い

芸者衆の魅力とは〝ギャップ〟である――。宴席では、タイミングのよいお酌やテンポのある会話で陽気に座を盛り上げてくれる身近な存在の芸者衆が、舞台で、舞踊、三味線、唄、鳴り物などの芸を披露するときはまるで手の届かない別人。雲の上の存在に感じられます。

自分への厳しさと芸事への真摯な気持ちを持ってストイックに稽古に精進し続ける面と、それを土台にしながら決してひけらかすことなく酒席をとりもつ「座持ち」の良さ――。「芸者」とは、この一見相反する両者を兼ね備えた稀有な職業なのです。

したがって、花柳界の踊りを観るの楽しみの一つは、

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<東京・新橋> 行ってきました「東をどり」① お座敷へと誘う舞台

だから、芸者衆の踊りは踊りを知らなくても楽しめる(2015年5月23.24日)

東をどり プロ組み合わせ明るい

5月23、24日、新橋芸者の舞踊の会「東をどり」(=あずまをどり)を観てきました。今年は第91回目。いよいよ100回公演に向けてのカウントダウン開始です。

〝舞踊の会〟と聞いだたけで「わからない、退屈、難しそう」と敬遠する人が少なくないかもしれませんが、踊りを知らなくても楽しめるのが、芸者衆の踊り。花柳界取材歴こそ長く、各地の会に足を運んでいるけれど、踊りも三味線も(着物すら)嗜まない私自身がそう思うのです。

それはいったいなぜか――。

ひと言でいえば、芸者衆の本質は芸術家ではなくエンターティナーだからです。「もてなしのプロ」である芸者衆には、目の前のお客さんを楽しませたいとの思いが本能的に身についていて、それは、お座敷でなく劇場の舞台であっても発揮される。……というより、芸者衆にとっては劇場も、お座敷と同じもてなしの場なのでしょう。

これが、師匠から弟子へ伝統芸能を継承していくことを使命とする舞踊家・邦楽家と、芸者の大きな違いではないでしょうか。

「これが芸者衆の踊りの楽しさか……」とあらためて感じた今年の「東をどり」でした。

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<東京・大井海岸> 唯一の女形芸者・栄太朗さんと、「芸者の個性」

母の遺志を継いで置屋「まつ乃家」の女将になった青年芸者とは

朝日新聞 2015.1.19 夕刊 栄太朗さん

(*朝日新聞 2015.1.19付 「孝行息子 お座敷に咲く」。掲載承諾書番号 A15-0375。無断転載禁止)

東京の花街といえば、東京六花街といわれる新橋・赤坂・芳町・神楽坂・浅草・向島のほか、大塚、八王子があり、大井海岸や円山町などにも芸者衆がいます。これらをすべて合わせた東京中の芸者衆の数はというと、私の調べでは270人前後といったところでしょうか。

東京全体で40~50か所の花街があり、多いところには一か所200人~600人の芸者がいた戦後の最盛期(昭和20、30年代)とは違い、今や「芸者」という職業そのものが珍しくなりました。若い妓には「どうして芸者さんになったの?」と聞かずにいられないのですが、まして栄太朗さんは男性。日本でただ一人の女形芸者です。

栄太朗さんがどのようないきさつで芸者になったのか。今、どのような思いでこの仕事と向き合っているのか。 その答えが、朝日新聞1月19日夕刊に「孝行息子 お座敷に咲く」のタイトルで掲載されました。

記事を読んで、芸者の個性について考えました。

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<東京・八王子> 芸者衆総出演の「杵藤会」開催(5/30)と、「八王子の躍進」

八王子芸者衆の長唄と踊り。日頃のお稽古の成果を大舞台で。(入場無料)

杵藤会 チラシ・日時/5月30日(土) 12時ころ~(時間変更の可能性あり)。場所/いちょうホール(八王子市芸術文化会館)大ホール。☎042・621・3001。*入場無料

5月30日(土)、八王子花街の芸能指導にあたっている藤間清幸寿・杵屋栄富左次師匠の舞踊と長唄の会が開催されます。八王子芸者衆も三味線や踊りで総出演します。

下ざらいにお出かけ前の、八王子芸妓組合組合長で芸者のめぐみさん(置屋「ゆきの恵」主人)から下記のコメントをいただきました。

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<東京・新橋> 第91回 「東をどり」5月21日~24日開催

新橋花柳界体験の第一歩は「東をどり」から。

東をどりチラシ karui●「東をどり」の輝かしい歴史

大正14年、新橋演舞場のこけら落としとして始まった新橋芸者の舞踊公演「東をどり」。戦後、「まり千代」という大スターを生み、楽屋口に、まり千代姐さん見たさの出待ちの女子学生が群がるほど人気の、国民的大行事となりました。

昭和20年代には、25日間公演が続き、それでもチケットが手に入りにくい状況でした。そのころ、ある演劇評論家が新聞に、次のようなあまりに印象的な言葉を寄せました。……

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<東京・浅草> 三社祭 芸者衆と幇間衆の組おどり

三社祭の「組おどり」は元気の源だった。

見番三社 20150517

もし、「浅草花柳界に行ってみたい!」という人を一度だけご案内するとしたら、私は迷わず5月半ばの三社祭の時期を選びます。

この期間限定、三社祭協賛「組おどり」(東京浅草組合主催)があるからです。組おどりとは……

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