<1月>
●<東京・八王子> 八王子芸妓・新春の宴(セレオ・イベントスペース)へ。新年の買い物客で賑わう駅ビルで初春の舞を披露。人前に積極的に出て行く〝攻めの姿勢〟が、今年も八王子芸者衆の知名度を上げ、マスコミの注目を集めた。
<1月>
●<東京・八王子> 八王子芸妓・新春の宴(セレオ・イベントスペース)へ。新年の買い物客で賑わう駅ビルで初春の舞を披露。人前に積極的に出て行く〝攻めの姿勢〟が、今年も八王子芸者衆の知名度を上げ、マスコミの注目を集めた。
●12月2日夜10時から NHKBSプレミアム
八王子芸者衆がてづくりで発行している「八王子芸妓衆かわら版」号外が届きました。12月2日(水)夜10時~NHKBSプレミアム「東京ウエストサイド物語」放映のお知らせです。 続きを読む <東京・八王子>「東京ウエストサイド物語」。12月2日放映芸者衆も出演
●「舞台で踊りたい」。若手の希望で実現した会
神楽坂の若手芸者衆の勉強会が、日頃、稽古にあたっている花柳輔瑞佳師匠の「花みずか会」として、10月26日(月)神楽坂劇場(牛込箪笥区民ホール)で開催された。
出演者は、涼也、桃子、小夏、福子、小春、櫻子、史帆、㐂よ乃(敬称略)の8名。若手の芸者衆が長唄、清元、常磐津の、いわゆる「段もの」と呼ばれる本格的な舞踊を舞台で踊る機会はあまりなく、今回は若手のたっての希望で実現した会。知合いの芸者衆からの情報によると、出演者たちはこの日のために費用を積み立てて準備をしてきたという。 続きを読む <東京・神楽坂> 若手を支える神楽坂の底力。「花みずか会」開催
2013年秋に始まった浅草芸者の「お座敷おどり」(なんと入場無料!)。2014年春秋、2015年春と続いて、5期目・2015年秋の回が始まりました。このような試みは継続することが難しく、進化し続けることはさらに難しいものですが、初回から見続けてきて、常に新しいことへの挑戦を怠らない主催者の浅草観光連盟と浅草花柳界の心意気が感じられました。 続きを読む <東京・浅草> 幇間さんも登場。進化する浅草芸者の「お座敷おどり」
「奴さんだよっ! エ~~~、やっこさ~ん、どち~ら~ゆ~く ハア こりゃこりゃ……」
あの日から、気がつくと頭の中にこの曲が流れている。東京の芸者衆ならだれでも踊れるお座敷の定番曲「奴さん」だ。そして〝あの日〟とは10月6日、「全国芽生会連合会全国大会東京大会2015」が行われた日。年に一回、各地区持ち回りで全国大会が開催されており、今年は12年ぶりの東京大会である。 続きを読む <東京・全体> 東京芸者はやっぱり〝奴さんだよっ!〟
●東京が一番暑かった日、芸者衆は幻想的な舞台にいた
東京が37.7度の今夏最高気温を記録した8月7日は、八王子まつりの初日。恒例の人気行事・芸者衆の「宵宮の舞」に行ってきました。開宴20分前に会場の中町広場へ着くとそこはすでに人だかりが……。舞台前に敷かれた桟敷は満席、三重四重の立ち見の人々はみるみる膨らみ、警備の警官がロープを張って通り道の確保のために声を張り上げていました。 続きを読む <東京・八王子>「八王子まつり」。芸者衆、夜空の下で「宵宮の舞」
【5】―②
多くの人が、柳橋花柳界衰退の原因は川の景観が失われたことだと言う。それが柳橋の魅力を損ねたことは否めない。しかし、本当にそれだけなのだろうか。柳橋がそれほどまで川に依存しきった花柳界だったはずはないのだが。
「もう少し柔軟だったら、生き残れたのでは……」と、千代子は未練がましくも思うのだった。芸者になるための試験が難しくて合格できず、新橋や赤坂に流れた子たちが、その土地で売れっ妓になったと聞いた。浅草の市丸、赤坂小梅、神楽坂はん子が次々とレコードデビューし、鶯芸者として人気者になる中、柳橋は、芸者が二足のわらじを履くことを許さず、芸者か歌手かの二者択一を迫った。料亭は最後の最後まで敷居を下げることなく、一見さんお断りを守り通した。
融通の利かない、頑固な花柳界――。それが柳橋の生き方だったのだろう。 続きを読む <フィクション>『幻の柳橋』【5章】平成11年。惜しまれながら、潔く。②(完)
【5】―①
「いな垣さん、とうとう閉めたそうですよ」
吉矢の芸者置屋を継いだ吉栄からそう聞いたとき、櫛を持つ千代子の手が止まった。吉矢が膝を痛めて座敷に出られなくなり、芸者を廃業して姉の住む郊外に引っ込んだとこの妓から聞いたのは、ふた昔以上前だった気がする。この町の重大情報は、いつも鏡ごしに千代子に伝わる。
いな垣は、柳橋で最後に一軒だけ残った料亭である。その店の廃業は、すなわち柳橋花柳界の終焉を意味する。1999年1月、千代子80歳の温かい冬に、柳橋芸妓組合解散。柳橋花柳界は400年の歴史に幕を下ろした。20名ほど残っていた芸者は出先を失い、そのときから「元芸者」になった。 続きを読む <フィクション>『幻の柳橋』【5章】平成11年。惜しまれながら、潔く。①
遅くやってくる朝は静かで、夕暮れとともに華やかさを帯びる町。しかし、街灯は暗闇を煌々とは照らさずぼんやり灯る、どこか薄暗い町だった。それは、男女の二人連れとすれ違っても、だれなのか顔がはっきりわからない暗さ――この町に必要な、思いやりの暗さだった。
この町の住人は、普段着の芸者の後ろ姿を遠目にするだけで、それが素人ではないと見分けることができた。そんな自分をわかってか、芸者は昼間町を歩くときはあえて目立たないように振る舞うのだが、着こなしや身のこなしの独特な雰囲気は隠せず、周囲に溶け込めずにいるのである。 続きを読む <フィクション>『幻の柳橋』【4章】昭和37年。変わっていく町。②
「はいはい、お世話さま。またよろしく頼むわね」
と、いつもどおりの言葉を残してドアを開け、狭い路地を行く吉矢の背中をいつもより長く、姿が消えるまで見送った千代子は、久しぶりに河岸っぷちの光景を見たくなった。というより見ておかなければいけないような気がして、奥にいた夫に店を頼み、下駄をつっかけて表に出た。
柳橋花柳界は、隅田川と神田川と江戸通りに囲まれた東西200メートル、南北400メートル足らずの長方形の中にある。 続きを読む <フィクション>『幻の柳橋』【4章】昭和37年。変わっていく町。①