東をどり百回記念公演
●金沢三茶屋街「素囃子」。さすが芸どころ
東をどり開催後初めての週末とあって、いつもに増して盛況の新橋演舞場。正面玄関前に大型の観光バスが乗り付けていた。
連日、各地の花街が日替わりで舞台に花を添え、新橋芸者の存在も際立つ中、ちょうど中日の4日目は特に芸者の芸の幅広さを堪能できる絶好の機会となった。
東をどり開催後初めての週末とあって、いつもに増して盛況の新橋演舞場。正面玄関前に大型の観光バスが乗り付けていた。
連日、各地の花街が日替わりで舞台に花を添え、新橋芸者の存在も際立つ中、ちょうど中日の4日目は特に芸者の芸の幅広さを堪能できる絶好の機会となった。
東をどり百回記念公演
*当日券は25日(日)と最終日27日(火)は残りわずかとのことですが、それ以外はまだ余裕ありとのことでした(5月22日昼現在の情報。詳細はご確認ください)
●3日目は名古屋・岐阜・祇園東
1幕目は新橋芸者がご祝儀曲の「青海波」と「百年三番叟」を日替わりで披露し、華やかに百回記念公演の幕開けを祝う。きりっとして爽やかな「青海波」と、きらびやかで豪華な「百年三番叟」、どちらも新橋芸者の格の高さを満喫できる演目だ。
2幕目は名古屋・岐阜・祇園東がそれぞれの土地ならではの曲で客席を沸かせた。
東をどり百回記念公演
●神楽坂・浅草・上七軒それぞれのオリジナル曲で
東をどり2日目。今回2幕目で登場するのは東京から2花街(神楽坂・赤坂)そして京都からは京都五花街の一つ・上七軒(かみしちけん)。 続きを読む <東京・新橋> 5月22日・2日目(東をどり百回記念公演)
●ついに幕があいた東をどり100回記念公演
「無事開幕できて本当によかった」……こんな挨拶があちらこちらで交わされている。新橋花柳界にとって百年に1回の特別な東をどりがついに開幕した。
初日の昼の部、12時過ぎ、演舞場前に着くと黒山の人だかり。いつもにまして関心度の高さがうかがわれる。
百回記念の特別バージョンで、公演は7日間、全3幕構成のうち第1幕と3幕は新橋、間の2幕では日替わりで招く全国19花街の芸者衆が舞台に上がる。東をどりの舞台に新橋以外の芸者衆が立つのは、大正14年に新橋演舞場の杮落しで第1回を開催して以来、初めての試みだ。 続きを読む <東京・新橋> 5月21日・初日(東をどり百回記念公演)
昨年の東をどりはコロナ禍で中止。今年5月の開催もかなわなくなったとき、東京新橋組合の岡副真吾頭取は「中止」ではなく「延期」と発表した。 コロナはまちから仕事を消したけれど、新橋にはまちを元気にするものがある。「東をどり」だ――。 そんな思いで出来上がった初めての挑戦「映像の東をどり」。芸術的な映画を見ているようだった。 実際の視点と異なるカメラワークのせいだろうか、屏風、軸、襖絵、双幅、生花といった室礼が花柳界のお座敷の重要な要素であることをあらためて強く感じた。 …と思って再度プログラムを見ると、曲名の下に「立方」「地方」と同等の扱いで「室礼」が記されているではないか。 まさに映像の東をどりは、料亭とお座敷と庭と室礼と、新ばし芸者衆の競演だった。
それにしても、光琳の屏風にも大観の襖絵にも負けない堂々たる新ばし芸者の存在感――。 この世界と少しでも関わってきてよかったと心から思えた。 もう一度、いや何度も、大きなスクリーンで見たい。 *映像オンライン配信および、Blue-Ray発売に関しては、東をどり公式ホームページにて案内予定。
第九十九回 東をどり – 新ばし白花繚乱
大正14年、新橋演舞場のこけら落としに始まり、戦時中、オイルショック、演舞場の改築中などやむを得ない事情の年を除いて毎年回を重ねてきた新橋花柳界の舞踊公演「東をどり」。令和元年に第95回を迎え、5月23日~26日に開催される。
東京新橋組合・岡副真吾頭取曰く「ついに記念すべき第100回へのカウントダウンが始まった」。そこへ向けての5年間は毎年、内容に趣向を凝らし、第100回にあっと驚く大輪の花火を打ち上げるのだという。――岡副真吾氏は、有言実行の人である。
今年から毎年見続ければ、第100回を何倍にも楽しむことができる。今まで足を運んだことのない人は、今年こそが「東をどりデビュー」に最適な年だといえよう。
さすが、全国の芸者衆から一目置かれる「芸の新橋」だ。「なでしこの踊り」で若手芸者衆の「狂言」が見られるとは思わなかった。 続きを読む <東京・新橋> 新橋芸者と「狂言」。「なでしこの踊り 早春2019」より
●若手新橋芸者にとって「なでしこの踊り」は〝挑戦〟だった
「なでしこの踊り」終演後、千代加さん(15年目)とのりえさん(10年目)にお話を伺った。
新橋花柳界最大の年間行事は、5月末の4日間新橋演舞場で行われる「東(あずま)をどり」。大正14年からの歴史を持つ、東京を代表する花街舞踊だ。芸者が300人、400人といた昭和30~40年代には若手はなかなか役をもらえず、やっとついた役が花や木の枝や水の精など人間ではないことも当たり前だった。人数が減った今でも主役級のキャストは芸歴30年以上のベテランが務めることがほとんどだ。新橋花柳界の層は厚い。10年、15年ではまだまだ〝若手〟の部類なのである。
――〝次世代の東をどりのスターを育てよう〟との趣旨で始まった「なでしこの踊り」。一般のお客さんも新橋の芸者衆と触れ合える場として人気ですね。 続きを読む <東京・新橋>変わりゆく花柳界。「なでしこの踊り」➃。若手新橋芸者の挑戦
●新橋芸者が身近になった! 人気の「なでしこの踊り」「なでしこの踊り」は「東(あずま)をどりの次世代のスターを発掘すること」を目的に、平成26(2014)年から年に2回(新春と夏)開催されているイベントだ。新橋演舞場地下特設会場「東(あずま)」を料亭の大広間に見立て、100席ほどのテーブル席のお客さんを、若手の新橋芸者衆が簡単なトークと舞踊とゲーム、写真撮影、会話などで約2時間もてなしてくれる。食事つきでS席12,000円、A席10000円という金額で新橋芸者衆の芸と人柄に身近に接することが出来るのは画期的なこと。平成30年1月、八回目の開催にして初めて参加する機会を得た。