<東京・浅草> 幇間さんも登場。進化する浅草芸者の「お座敷おどり」

幇間芸は外人客にも受けていた

20215 秋●屏風芸で知った英単語は、「鍼=オキュパンクチャー」

2013年秋に始まった浅草芸者の「お座敷おどり」(なんと入場無料!)。2014年春秋、2015年春と続いて、5期目・2015年秋の回が始まりました。このような試みは継続することが難しく、進化し続けることはさらに難しいものですが、初回から見続けてきて、常に新しいことへの挑戦を怠らない主催者の浅草観光連盟と浅草花柳界の心意気が感じられました。

櫻川七助さんの屏風芸
櫻川七助さんの屏風芸

今回はじめて、芸者衆に混じって幇間さん(たいこもち)が舞台に上がりました。花柳界の組合に所属している幇間衆は、全国でも東京浅草組合所属の7名のみ。非常に貴重な存在です。毎回一人ずつ持ち回りで出演する予定で、初回のトップバッターは、櫻川七助さん。本番前にやや緊張気味の七助さんに会ったので、「七助さんの出来次第で、次回から幇間さんの出演がなくなるかも(笑笑)。責任重大ですね―」と冗談半分に軽くプレッシャーをかけておいたのが良かったのでしょうか……。さすが、ふだんお座敷で鍛えている幇間さんはプレッシャーに強かった。定番の幇間芸「どうぞ叶えて」と屏風芸は、外人さんたちにも受け、笑い声が起きていました。

今回もお客さんの半分近くは外人客で、開演に先立っての浅草観光連盟・冨士会長の英語による説明もかなり充実。進行役の浅草芸者の福了子(さよこ)さんの英語も、ますます艶っぽく力づよく、期待感を大いに高めていました。

ところで、屏風芸を説明するのに欠かせない「鍼」の英訳を調べてみました。acupuncture = オキュパンクチャー。次回以降、あらかじめ「鍼」を英語で伝えておくと面白さがより伝わるかもしれません。

*浅草芸者の「お座敷おどり」 10月17,24,31日、11月7,14,21,28日(いずれも土曜日開催)。台東区立浅草文化観光センター6階多目的スペースにて。1部13時~13時半、2部14時半~15時。指定席75名、立見30名程度。無料。各午前10時に1部・2部の整理券配布(浅草文化観光センター1階にて)

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芸者衆&幇間衆がおもてなし。「悠游亭」2015年11月28日開催!
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