「追悼」タグアーカイブ

<岩手・釜石> 追悼 最後の釜石芸者・艶子さん① 14歳で芸者に。「自分で選んだ道だった」

2016年1月6日、最後の釜石芸者・艶子さん(舞踊名・藤間千雅乃=ふじまちかのさん)が亡くなられた。享年89歳。東日本大震災で家を流され避難所暮らしをする中、国内外のマスコミから注目を浴びることになった艶子さんに、私は八王子芸者めぐみさんとのご縁で出会い、何度か取材の時間をとっていただいた。釜石の避難所で、仮設住宅で、そして東京のホテルで――。昨年、企画中の本に収録しようと書いた文章は結局、陽の目を見ず、私のPCの中に眠ったままだ。追悼の想いをこめて、この場に残したいと思う。

2012年6月 「黒髪」を踊る艶子さん(八王子すゞ香にて)
2012年6月 「黒髪」を踊る艶子さん(八王子すゞ香にて)

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<石川・金沢>もうすぐ「金沢おどり」①。芸妓・峯子さんを想う――別れと出会い

第12回金沢おどり 2015年9月19日(金)~22日(火)

北陸新幹線開業の、その日に逝った人

峯子さんうちわ●最後の「一調一管」は優しく聞こえた

2015年3月14日、北陸新幹線開業のまさにその日、金沢にし茶屋街の芸妓でお茶屋「美音(みね)」の女将、峯子さんが突然、逝った。藤舎秀扇の名をもつ笛の名人でもあり、小鼓の乃莉さんと2人で奏でる「一調一管」は高い評価を得、「金沢おどり」の人気演目の一つだった。昭和2年生まれ、享年87歳。朝までお元気だったそうだから、楽しみに待っていた新幹線開業を伝えるテレビニュースを見ることはできたのではないかと想像している。

昨年の9月20日、「第11回金沢おどり」公演後に楽屋を訪ね、「来年は新幹線で見に来ます」と言ったのが面と向かった最後だった。 続きを読む <石川・金沢>もうすぐ「金沢おどり」①。芸妓・峯子さんを想う――別れと出会い