カテゴリー別アーカイブ: マナーとコツ

<花柳界入門>マナーとコツ⑧踊りの間はおしゃべりは控えて

ノリのいい曲なら手拍子や合いの手も大歓迎

2015浅草・三社祭 芸者衆の組踊観賞のお座敷より
2015浅草・三社祭 芸者衆の組踊観賞のお座敷より

料亭で行われる2時間ほどの一般的な「お座敷遊びの会」は、「乾杯→歓談→踊りの披露→歓談→お座敷ゲーム→歓談→〆の踊り→お開き」といった順序で進んでいくことが多いようです。芸者衆がお座敷遊びの途中で披露する舞踊を「お座つき」といい、動詞では「お座敷をつける」といいます。

タイミング的には、会席料理が先付、前菜、吸物と一品ずつ順に運ばれ、刺身が出たころでしょうか。地方(じかた=三味線・唄などの演奏方)のお姐さん用に赤い毛氈が敷かれ、三味線の音合わせが聞こえてきたら、「そろそろお座敷をつけましょう」の合図です。 続きを読む <花柳界入門>マナーとコツ⑧踊りの間はおしゃべりは控えて

<花柳界入門>マナーとコツ⑦芸者衆にも「どうぞ」とお酌を

「お姐さんもいかがですか」のひと言を

半玉さん用の小さなお猪口(手前の3つ。小樽・海陽亭)
半玉さん用の小さなお猪口(手前の3つ。小樽・海陽亭)

さまざまな技を駆使し、お座敷をその場に相応しく盛り上げるのが芸者衆の仕事ですが、「お酌」は、踊りや会話と同様、大事なもてなしの手段の一つです。初対面のお客さんと打ち解けるのも、会話の糸口を摑むのも、堅苦しい雰囲気を和らげるのも、まずはタイミングのよいお酌から。まさに芸者衆はお酌のプロといえます。

ベテランの芸者衆は、お銚子を持ちあげたときの重さであとどのくらいお酒が残っているかを正確に把握するといいます。「ごめんなさい、8分目しかないわ」と言いながら注ぐとお猪口にぴったり8分目。「あと2杯分ね」と言うと、ぴったり2杯分。数えきれないほどの回数、お酌をし続けて来た経験から「このお銚子でこの重さなら、お酒の量はこれくらい」と感覚で染みついているのでしょう。残りを確かめようと上から覗いたり、お銚子を振ったりするのは行儀が悪いと先輩から止められたそうです。 続きを読む <花柳界入門>マナーとコツ⑦芸者衆にも「どうぞ」とお酌を

<花柳界入門>マナーとコツ⑥畳の上で「素足」は厳禁

何はさておき、きれいな靴と靴下を。

三社祭2015 芸者衆足下

「あなたが持っているいちばんいい靴と、新しい靴下を履いて来なさい。もしなければ買いなさい」――。花柳界に40余年通い続けているある旦那衆は、お座敷遊びの初心者に心得を尋ねられると、まずこう答えるのだそうです。

料亭に行くとき、最も気を遣わなければならないのは足もと。なぜなら、言うまでもなく、料亭のお座敷は「靴を脱いで上がる世界」だからです。

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<花柳界入門>マナーとコツ⑤お座敷遊びにふさわしい服装

目安は〝ふだん着より少し上〟で、小ぎれいな服

★浴衣でお座敷遊び 

料亭でのお座敷遊びに何を着て行ったらいいのか迷う人も少なくないようです。あくまでも「遊び」――料理とお酒をいただきながら、芸者衆の踊りを見たり、会話を楽しんだり、ゲームで遊んだりする場なので、堅苦しい服装や、かしこまった格好をする必要は全くありません。

とはいえ、あまりにくだけすぎた格好では浮いた存在になってしまう危険も――。料亭のお座敷は、隅々まで掃除が行き届き、季節の花が活けられ、貴重な掛け軸や絵や書が飾られた心地よい状態で、お客さんを待っています。そこに足を踏み入れ、身を置くにふさわしい、ある程度きちんとした小ぎれいな服装が望ましいと思います。

居酒屋に行くのとは違う、多少の緊張感をもって〝ふだん着よりも少し上〟の感覚で着ていくものを選ぶと、自分自身も周囲も違和感なく、心置きなく楽しめるのではないでしょうか。

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<花柳界入門>マナーとコツ④芸者衆は百歳でも「お姐さん」

花柳界の辞書に、「おばさん」と「おばあさん」は無い!

三味線を弾く

芸者衆の名前(芸名)がわからないときや、会話の中でさらりと呼びたいときは、迷わず「お姐さん」(おねえさん)。たとえ自分の母親や祖母と同年代か、明らかに年上に見えても、決して「おばさん」「おばあさん」と呼んではいけません。

これは全国すべての花柳界に共通の約束事。芸者衆は日々芸事に精進し、お座敷では芸や会話や気遣いでお客さんを楽しませる〝もてなしのプロ〟として、現役である限り、「老けない。年はとらない」という気概をもって仕事をしています。花柳界の中で「おばさん」「おばあさん」がタブーなのは、芸者衆の心意気の表れだといえるでしょう。

また、「お母さん」もNG。花柳界で「お母さん」といえば、芸者衆が置屋の主人を指して呼ぶ言い方と決まっています。お客さんが芸者衆に対して使う言葉ではありません。

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<花柳界入門>マナーとコツ③芸名を覚えて芸名で呼ぶ

「〇〇さん」「〇〇姐さん」と芸名で呼ぶと、芸者衆との距離も近づく

⑰イメージ 裾 軽い

限られた時間の中でお座敷遊びを人一倍楽しむための、もっとも基本的で簡単な方法は、芸者衆の名前(芸名)を覚えて、芸名で呼ぶことです。呼び方は、ふつうに「〇〇さん」、もしくは一本の芸者衆であれば「〇〇姐さん」。*半人前の芸者=半玉(お酌ともいう。京都では舞妓)に対して、一人前の芸者を「一本」(京都では芸妓)という。

一度芸名を覚えれば、次にどこかのお座敷で会ったときに「〇〇さん」と固有名詞で呼ぶことができ、芸者衆との距離も少し近づきます。芸者衆にとって、繰り返し足を運んでくれるお客さんの存在はとてもありがたいもの。また、お客さんにとっても、芸者衆が直接お酌や会話でもてなしてくれるお座敷では、「知り合いの芸者衆がいる」ことが満足度と楽しさをグンと引き上げるのです。

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<花柳界入門>マナーとコツ②相手も自分も心地よく

どう振る舞えばお互いに気持ちがいいか、の想像力

芸者影13

二つ目の基本は、この場で同じ時間を過ごすことになった者同士、相手も自分も心地よく過ごすにはどうしたらいいか、想像力を働かせて振る舞うことだと考えています。この場合の「相手」とは、芸者衆だけでなく、他のお客さん、仲居さんなど場を共有するすべての人を指します。

たとえば、大広間で行われる宴会では見知らぬ同士が同席することがよくあります。席に着くとき、隣に先客があれば「今日はよろしくお願いします」とにっこりあいさつをしてから座る。隣の人が後から来たら同じように声をかける――。このたった一言で不思議と初対面の緊張も解けるものです。

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<花柳界入門>マナーとコツ①基本は「芸者衆に対する敬い」

「もてなされる立場」から「もてなしのプロ」を敬う

お座敷おどり 去る芸者

かつては「一見さんお断り(要紹介)」が当たり前、社会的地位や経済的余裕のある限られた人々の仕事場・社交場・遊び場だった花柳界は、ここ20年ほどの間に大きく様変わりしました。従来の常連客を大事にしながら、女性、若者、観光客などそれまでこの世界に縁のなかった一般の人々にも目を向け、新たな客層に間口を広げはじめたのです。

花柳界情報がインターネット等で盛んに発信され、初心者でも参加しやすい会費制のお座敷遊びの会なども各地の料亭で行われています。今や、その気になれば誰もが、ある程度の深さまで足を踏み入れられる時代。その一方で、身近に花柳界の指南役が見当たらず、マナーの面で不安に思う人も多いのではないでしょうか。

お座敷のマナーは決して難しいものではありません。花柳界ならではの決まり事やお客としてわきまえておきたい心得はいくつかありますが、基本的に二つのことを頭に入れておけば、たいていのことは臨機応変に対応できるはずだと私は考えています。

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