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<山形・七日町>山形市の誇り。歴史的建造物と芸妓と舞子

120畳の大広間に映える、山形芸妓とやまがた舞子

「のゝ村」広間にて(1996年11月取材。『夫婦で行く花街 花柳界入門』より。撮影・中川カンゴロー)

●1996年(平成8年)、念願の「山形舞子」が誕生した

*1998年(平成10年)発行 拙著『夫婦で行く花街 花柳界入門』(小学館)より抜粋(下線部)

山形市内の花街・七日町は、最近、急に活気づいてきた。

料亭のご主人や財界が中心になって10年間準備を進めてきた「山形舞子」が平成8年6月に誕生したのだ。

6人の「舞子さん」が無事お披露目を果たすことができたのは、小蝶(こちょう)姐さんの指導によるところが大きい。

「私たちが先輩から教わってきた芸の中には『紅花摘み唄』のように山形独特のものもあるんです。そういう伝統的な踊りを舞子さんたちに引き継いでもらいたくて、一生懸命教えました。座り方も知らなかった子が3か月で踊れるようになったんですから、みんな頑張ったんですよ」

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<花柳界入門>マナーとコツ⑥畳の上で「素足」は厳禁

何はさておき、きれいな靴と靴下を。

三社祭2015 芸者衆足下

「あなたが持っているいちばんいい靴と、新しい靴下を履いて来なさい。もしなければ買いなさい」――。花柳界に40余年通い続けているある旦那衆は、お座敷遊びの初心者に心得を尋ねられると、まずこう答えるのだそうです。

料亭に行くとき、最も気を遣わなければならないのは足もと。なぜなら、言うまでもなく、料亭のお座敷は「靴を脱いで上がる世界」だからです。

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<花柳界入門>マナーとコツ⑤お座敷遊びにふさわしい服装

目安は〝ふだん着より少し上〟で、小ぎれいな服

★浴衣でお座敷遊び 

料亭でのお座敷遊びに何を着て行ったらいいのか迷う人も少なくないようです。あくまでも「遊び」――料理とお酒をいただきながら、芸者衆の踊りを見たり、会話を楽しんだり、ゲームで遊んだりする場なので、堅苦しい服装や、かしこまった格好をする必要は全くありません。

とはいえ、あまりにくだけすぎた格好では浮いた存在になってしまう危険も――。料亭のお座敷は、隅々まで掃除が行き届き、季節の花が活けられ、貴重な掛け軸や絵や書が飾られた心地よい状態で、お客さんを待っています。そこに足を踏み入れ、身を置くにふさわしい、ある程度きちんとした小ぎれいな服装が望ましいと思います。

居酒屋に行くのとは違う、多少の緊張感をもって〝ふだん着よりも少し上〟の感覚で着ていくものを選ぶと、自分自身も周囲も違和感なく、心置きなく楽しめるのではないでしょうか。

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<東京・神楽坂>明治時代の〝山手銀座〟。今は「神楽坂をどり」で窓を開く

昔も今も、坂と路地と石畳に芸者衆が映える町

2015年第33回「神楽坂をどり」プログラムより
2015年第33回「神楽坂をどり」プログラムより

●地形と住人に恵まれ、天災を免れた幸運な花街

*2007年 執筆 拙著 『東京六花街 芸者さんに教わる和のこころ』 (ダイヤモンド・ビッグ社 )より抜粋(下線部)

昭和初期、「花街の中に山あり谷あり」「あたかも玩具箱(おもちゃばこ)をひっくりかえしたような感じ」(『全国花街めぐり』昭和4年発行。松川二郎著)と描写された神楽坂花柳界(別称・牛込花柳界)。その隠れ家的な雰囲気は、花街として大きな魅力だった。

戦災で町が焼け、開発でビルが建っても、地形は残る。だから今も神楽坂は、花街らしい風情を残し、坂と路地と石畳に芸者が映える町だ。

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<花柳界入門>マナーとコツ④芸者衆は百歳でも「お姐さん」

花柳界の辞書に、「おばさん」と「おばあさん」は無い!

三味線を弾く

芸者衆の名前(芸名)がわからないときや、会話の中でさらりと呼びたいときは、迷わず「お姐さん」(おねえさん)。たとえ自分の母親や祖母と同年代か、明らかに年上に見えても、決して「おばさん」「おばあさん」と呼んではいけません。

これは全国すべての花柳界に共通の約束事。芸者衆は日々芸事に精進し、お座敷では芸や会話や気遣いでお客さんを楽しませる〝もてなしのプロ〟として、現役である限り、「老けない。年はとらない」という気概をもって仕事をしています。花柳界の中で「おばさん」「おばあさん」がタブーなのは、芸者衆の心意気の表れだといえるでしょう。

また、「お母さん」もNG。花柳界で「お母さん」といえば、芸者衆が置屋の主人を指して呼ぶ言い方と決まっています。お客さんが芸者衆に対して使う言葉ではありません。

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<東京・八王子>花柳界を舞台の「地域発ドラマ」、置屋で撮影開始。NHKBSプレミアム

八王子ならではの〝花柳界物語〟、今秋放映予定。

仮のチラシ。詳細は番組HPを参照ください。
仮のチラシ。詳細は番組HPを参照ください。

●「八王子まつり」での舞台・「宵宮の舞」がクライマックス?

ここ15年ほどの間に、若い芸者衆が増え、途絶えていた花街の行事も復活し、若手が新たな置屋を開業するなど右肩上がりで勢いを増している八王子花柳界。昨年3月には念願だった第一回「八王子をどり」の開催も実現しました。

東京の多摩地区で唯一残るこの花街は最近、新聞・雑誌はもとより、八王子を紹介するテレビ番組では必ずといっていいほど取り上げられ、全国的な知名度も少しずつ上がってきています。

2015年4月13日にはNHKBSプレミアム「TOKYOディープ!」で八王子芸者衆の日常と仕事が紹介されましたが、この度、八王子花柳界を舞台としたドラマ「東京ウエストサイド物語」の制作が決定。先日、キャストが発表され、歌手で八王子観光大使でもある北島三郎さんの出演も話題になっています。

今週から置屋「ゆき乃恵」での撮影が開始。放映は今秋予定とのこと。

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<花柳界入門>マナーとコツ③芸名を覚えて芸名で呼ぶ

「〇〇さん」「〇〇姐さん」と芸名で呼ぶと、芸者衆との距離も近づく

⑰イメージ 裾 軽い

限られた時間の中でお座敷遊びを人一倍楽しむための、もっとも基本的で簡単な方法は、芸者衆の名前(芸名)を覚えて、芸名で呼ぶことです。呼び方は、ふつうに「〇〇さん」、もしくは一本の芸者衆であれば「〇〇姐さん」。*半人前の芸者=半玉(お酌ともいう。京都では舞妓)に対して、一人前の芸者を「一本」(京都では芸妓)という。

一度芸名を覚えれば、次にどこかのお座敷で会ったときに「〇〇さん」と固有名詞で呼ぶことができ、芸者衆との距離も少し近づきます。芸者衆にとって、繰り返し足を運んでくれるお客さんの存在はとてもありがたいもの。また、お客さんにとっても、芸者衆が直接お酌や会話でもてなしてくれるお座敷では、「知り合いの芸者衆がいる」ことが満足度と楽しさをグンと引き上げるのです。

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<新潟・古町>行ってきました「新潟をどり」②。お茶と食の楽しみ (2015/6/21)

江戸千家によるお点前と「特製ふるまち花街弁当」

新潟をどり お弁当

●ロビーでお茶席。今年初めての企画が実現

芸者衆の必須ともいえるお稽古の一つに茶道があります。礼儀作法の基本や美しい立ち居振る舞いを身につけるだけでなく、茶の精神を通した「心の修業」の意味合いもあるのでしょう。京都・祇園甲部の「都をどり」や東京・新橋の「東をどり」をはじめ、花街舞踊の会場に芸舞妓・芸者衆によるお点前のお茶席が設けられている光景はよく見かけます。

6月21日(日)に開催された「ふるまち新潟をどり」(以下「新潟をどり」。主催/公益財団法人新潟市芸術文化振興財団 BSN新潟放送。協賛/新潟三業協同組合、新潟芸妓置屋組合、柳都振興㈱。協力/古町花街の会。後援/新潟市)でも、今年初めて、ロビーにお茶席が登場しました。……といってもお茶を点てるのは芸者衆ではなく、芸者衆が日頃お稽古をしている江戸千家のボランティアの方々。お客さんには、「花街とをどり、をどりとお茶、江戸千家について」などの簡単な用語解説を載せた「呈茶のしおり」も配られ、「来場者のみなさんに貴重な日本文化に親しんでいただきたい」との主催者側の思いがよく伝わってきました。(菓子つき一服500円)。

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<新潟・古町>行ってきました「新潟をどり」①。古町花柳界は今、見ごろ (2015/6/21)

ベテラン「お姐さん芸妓」と若手の「柳都さん」、間をつなぐあおいさん

新潟をどり 看板

●古町花柳界が、今とても面白い理由とは

多くの新潟市民は気がついていないかもしれませんが、新潟の花柳界「古町(ふるまち)」は、今、全国的に見ても、また古町の歴史の中でも非常に面白い時期を迎えています。

前の記事でも簡単に触れたように、古町は昭和62年に株式会社形式の芸者置屋を日本で初めて実現させた「社員芸妓発祥の地」です。今から28年前――。この前代未聞の挑戦は大きな話題となり、衰退の危機を感じていた全国の花街が注目。各地から視察に訪れ、山形市、酒田市、清水市(当時)などが古町のシステムを参考に芸者衆を育成する株式会社を設立させたのでした。

新潟お姐さんと柳都さん写真

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<花柳界入門>マナーとコツ②相手も自分も心地よく

どう振る舞えばお互いに気持ちがいいか、の想像力

芸者影13

二つ目の基本は、この場で同じ時間を過ごすことになった者同士、相手も自分も心地よく過ごすにはどうしたらいいか、想像力を働かせて振る舞うことだと考えています。この場合の「相手」とは、芸者衆だけでなく、他のお客さん、仲居さんなど場を共有するすべての人を指します。

たとえば、大広間で行われる宴会では見知らぬ同士が同席することがよくあります。席に着くとき、隣に先客があれば「今日はよろしくお願いします」とにっこりあいさつをしてから座る。隣の人が後から来たら同じように声をかける――。このたった一言で不思議と初対面の緊張も解けるものです。

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