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<東京・浅草> 期間限定「お座敷おどり」①。6月と7月、各3日×2回公演開催

観光のメッカ・雷門前の浅草文化観光センターにて。入場無料(整理券配布)

浅草お座敷おどり パンフ

●踊りとゲームと記念撮影。外国人も大感激

多くのお客さんに浅草芸者の存在と魅力を知っていただきたい――。そんな思いで、2013年秋から春秋の期間限定でスタートした入場無料の画期的なイベント・浅草芸者の「お座敷おどり」(主催:浅草観光連盟 後援:台東区・ときめきたいとうフェスタ)。

4シーズン目となる2015年春は、4月に2日間開催し、5月は三社祭のためにお休みしたあと、再び6月、7月に各3日間土曜日に行われます。(開催日、時間、会場、整理券配布等の詳細は上のチラシ画像をクリックしてご確認ください)

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<新潟・古町> 「新潟をどり」開催(6/21)と、社員芸妓「柳都さん」のこと。

日本初の「社員芸妓」を定着させた花柳界。「お姐さん芸妓」との融和が見もの

新潟をどり チラシ

●振袖さん、留袖さんが、お姐さん芸妓と共に

新潟(市)の花柳界は、町の名前をとって昔から「古町(ふるまち)」と呼ばれています。私が全国の中でも総合力の高さで注目している花柳界の一つで、20年ほど前から度々取材その他で訪れてきました。

古町の最大の注目ポイントは、日本で初めて〝社員芸妓〟を誕生させ、定着させた花柳界だ、ということです。今から28年前、1987年(昭和62年)に株式会社形式の置屋「柳都振興株式会社」を設立。「柳都(りゅうと)さん」と呼ばれる社員芸妓10名が1期生としてお披露目をしました。

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<東京・新橋> 行ってきました「東をどり」② 芸者衆の魅力はギャップである

梅の香りか、桜の色か。人それぞれの『梅ごよみ』 (2015年5月23・24日)

東をどり 会場内ポスター

●舞台を見るたびに湧き上がる、芸者衆への敬い

芸者衆の魅力とは〝ギャップ〟である――。宴席では、タイミングのよいお酌やテンポのある会話で陽気に座を盛り上げてくれる身近な存在の芸者衆が、舞台で、舞踊、三味線、唄、鳴り物などの芸を披露するときはまるで手の届かない別人。雲の上の存在に感じられます。

自分への厳しさと芸事への真摯な気持ちを持ってストイックに稽古に精進し続ける面と、それを土台にしながら決してひけらかすことなく酒席をとりもつ「座持ち」の良さ――。「芸者」とは、この一見相反する両者を兼ね備えた稀有な職業なのです。

したがって、花柳界の踊りを観るの楽しみの一つは、

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<東京・新橋> 行ってきました「東をどり」① お座敷へと誘う舞台

だから、芸者衆の踊りは踊りを知らなくても楽しめる(2015年5月23.24日)

東をどり プロ組み合わせ明るい

5月23、24日、新橋芸者の舞踊の会「東をどり」(=あずまをどり)を観てきました。今年は第91回目。いよいよ100回公演に向けてのカウントダウン開始です。

〝舞踊の会〟と聞いだたけで「わからない、退屈、難しそう」と敬遠する人が少なくないかもしれませんが、踊りを知らなくても楽しめるのが、芸者衆の踊り。花柳界取材歴こそ長く、各地の会に足を運んでいるけれど、踊りも三味線も(着物すら)嗜まない私自身がそう思うのです。

それはいったいなぜか――。

ひと言でいえば、芸者衆の本質は芸術家ではなくエンターティナーだからです。「もてなしのプロ」である芸者衆には、目の前のお客さんを楽しませたいとの思いが本能的に身についていて、それは、お座敷でなく劇場の舞台であっても発揮される。……というより、芸者衆にとっては劇場も、お座敷と同じもてなしの場なのでしょう。

これが、師匠から弟子へ伝統芸能を継承していくことを使命とする舞踊家・邦楽家と、芸者の大きな違いではないでしょうか。

「これが芸者衆の踊りの楽しさか……」とあらためて感じた今年の「東をどり」でした。

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<東京・大井海岸> 唯一の女形芸者・栄太朗さんと、「芸者の個性」

母の遺志を継いで置屋「まつ乃家」の女将になった青年芸者とは

朝日新聞 2015.1.19 夕刊 栄太朗さん

(*朝日新聞 2015.1.19付 「孝行息子 お座敷に咲く」。掲載承諾書番号 A15-0375。無断転載禁止)

東京の花街といえば、東京六花街といわれる新橋・赤坂・芳町・神楽坂・浅草・向島のほか、大塚、八王子があり、大井海岸や円山町などにも芸者衆がいます。これらをすべて合わせた東京中の芸者衆の数はというと、私の調べでは270人前後といったところでしょうか。

東京全体で40~50か所の花街があり、多いところには一か所200人~600人の芸者がいた戦後の最盛期(昭和20、30年代)とは違い、今や「芸者」という職業そのものが珍しくなりました。若い妓には「どうして芸者さんになったの?」と聞かずにいられないのですが、まして栄太朗さんは男性。日本でただ一人の女形芸者です。

栄太朗さんがどのようないきさつで芸者になったのか。今、どのような思いでこの仕事と向き合っているのか。 その答えが、朝日新聞1月19日夕刊に「孝行息子 お座敷に咲く」のタイトルで掲載されました。

記事を読んで、芸者の個性について考えました。

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<東京・八王子> 芸者衆総出演の「杵藤会」開催(5/30)と、「八王子の躍進」

八王子芸者衆の長唄と踊り。日頃のお稽古の成果を大舞台で。(入場無料)

杵藤会 チラシ・日時/5月30日(土) 12時ころ~(時間変更の可能性あり)。場所/いちょうホール(八王子市芸術文化会館)大ホール。☎042・621・3001。*入場無料

5月30日(土)、八王子花街の芸能指導にあたっている藤間清幸寿・杵屋栄富左次師匠の舞踊と長唄の会が開催されます。八王子芸者衆も三味線や踊りで総出演します。

下ざらいにお出かけ前の、八王子芸妓組合組合長で芸者のめぐみさん(置屋「ゆきの恵」主人)から下記のコメントをいただきました。

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<東京・新橋> 第91回 「東をどり」5月21日~24日開催

新橋花柳界体験の第一歩は「東をどり」から。

東をどりチラシ karui●「東をどり」の輝かしい歴史

大正14年、新橋演舞場のこけら落としとして始まった新橋芸者の舞踊公演「東をどり」。戦後、「まり千代」という大スターを生み、楽屋口に、まり千代姐さん見たさの出待ちの女子学生が群がるほど人気の、国民的大行事となりました。

昭和20年代には、25日間公演が続き、それでもチケットが手に入りにくい状況でした。そのころ、ある演劇評論家が新聞に、次のようなあまりに印象的な言葉を寄せました。……

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<東京・浅草> 三社祭 芸者衆と幇間衆の組おどり

三社祭の「組おどり」は元気の源だった。

見番三社 20150517

もし、「浅草花柳界に行ってみたい!」という人を一度だけご案内するとしたら、私は迷わず5月半ばの三社祭の時期を選びます。

この期間限定、三社祭協賛「組おどり」(東京浅草組合主催)があるからです。組おどりとは……

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<東京・新橋> 月刊『東京人』に執筆。若手芸者にエールを送る。

「東京人」2015年6月号(都市出版)「競え、舞え!新橋花柳界の若娘たち」 の記事を書きました。

東京人表紙全国の花柳界が一目置く「芸の新橋」。明治維新後、新政府の要人を大歓迎したことから赤坂と共に発展した、日本を代表する格式の高い花柳界です。「芸どころ」としての地位を確固たるものにした発端は大正時代。組合幹部が一念発起し、各流派の家元を専属の師匠に迎えたことでした。以来、各界のトップクラスが接待や遊び場・社交場として贔屓にし、街全体が一丸となって一流の芸者衆を育ててきました。

記事で焦点を当てたのは、「どうしても新橋芸者になりたい」との夢を実現させた二人の若手芸者・小花さんとちよ美さん。新橋花柳界の何が20代の若者たちを惹きつけるのか、彼女たちはこれからどのようにして押しも押されもせぬ「新橋芸者」に育っていくのか。

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<石川・金沢> 北陸新幹線開業と金沢茶屋街と、峯子さん

東京から〝わざわざ〟訪れたい金沢茶屋街の魅力。(北國新聞 1月23・24日)

金沢をどり提灯

北陸新幹線開業(3月14日)に向けての「北國新聞」連載記事、「新幹線は文化を運ぶ」に、茶屋街(花街)が二日に渡り取り上げられ、記者さんの取材を受けました。

金沢には、それぞれ少しずつ雰囲気の違う三つの茶屋街――ひがし、にし、主計町(かずえまち)があり、観光地としても人気です。芸妓数は合わせて40数名。若手も多く、格式、華やかさ、将来性、芸事を習う環境、一般の人々が楽しめる企画など総合力において、私が思うに全国でもトップクラス。何度も訪れている花街の一つです。

以下、新聞記事を元に、遠くからでもわざわざ訪れたい金沢茶屋街の魅力を、芸妓峯子さんにも触れながら、解説します。

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