*芸者・りんものがたり➂より続く
●唯一、子供らしさを取り戻すとき
たった4人で姉芸者20数人の世話をするのだから、おちょぼは忙しい。三味線を出先の料理屋に運び、お座敷が終わったら置屋に持って帰ってくる、姉芸者の脱いだ着物を畳んで箪笥に収める、足袋などこまごました日用品の買い物、部屋の掃除など仕事は山ほどある。
姉芸者には絶対服従だ。「この畳み方はあかん! やり直し!」と箪笥の引き出しにしまったばかりの着物を引っ張り出されて、床に放り投げられても文句はいえない。 続きを読む <西日本・X花街> 芸者・りんものがたり④ 「ここで生きていかな、しゃーない」