<東京・新橋> 第91回 「東をどり」5月21日~24日開催

新橋花柳界体験の第一歩は「東をどり」から。

東をどりチラシ karui●「東をどり」の輝かしい歴史

大正14年、新橋演舞場のこけら落としとして始まった新橋芸者の舞踊公演「東をどり」。戦後、「まり千代」という大スターを生み、楽屋口に、まり千代姐さん見たさの出待ちの女子学生が群がるほど人気の、国民的大行事となりました。

昭和20年代には、25日間公演が続き、それでもチケットが手に入りにくい状況でした。そのころ、ある演劇評論家が新聞に、次のようなあまりに印象的な言葉を寄せました。……

「科学の力で男性から女性に転向可能なら、われわれはまず新橋の芸者になりたい」――。新橋芸者の大きな存在感を窺い知ることのできる言葉です。

戦後はオイルショックの年(昭和49年)と演舞場改築期間中(昭和55・56年)を除き、毎年開催されています。

●より気軽に、より楽しく。大改革!

しかしいつしか世の中は変化し、人々が時間的余裕の持てない時代、芸事に通じたお客が第一線を退きつつある時代へ……。「このまま下を向いていたらこの土地に未来はない」との危機感が組合幹部をつきうごかし、平成19年には思い切った「東をどり」大改革が行われました。

コンセプトは、「新橋演舞場が料亭になる」。それまでの「三幕二回公演」から「二幕三回公演」に変更し、より気軽に観賞しやすい舞台内容に。そして「六料亭のお弁当」や料亭おすすめの銘酒など、幕間の食と酒の楽しみも充実させました。

ふだんはなかなか上がれない新橋の料亭ですが、東をどり期間中は、演舞場でそのエッセンスを楽しめるのです。

今年は第91回。この機会に一流の芸と食と味に触れてみてはいかがでしょうか。

*東京の花柳界では他に、赤坂をどり、神楽坂をどり、浅草をどり、向島をどりなどが行なわれていますが(昨年は、第一回八王子をどりも開催され話題になりました)、これだけの大きな規模で、毎年、数日間にわたり開催されているのは、東京では新橋だけです。(す)

スキャン_20150520 (7)

 

(©asahara 文章と画像の無断転載禁止)