<東京・新橋> 月刊『東京人』に執筆。若手芸者にエールを送る。

「東京人」2015年6月号(都市出版)「競え、舞え!新橋花柳界の若娘たち」 の記事を書きました。

東京人表紙全国の花柳界が一目置く「芸の新橋」。明治維新後、新政府の要人を大歓迎したことから赤坂と共に発展した、日本を代表する格式の高い花柳界です。「芸どころ」としての地位を確固たるものにした発端は大正時代。組合幹部が一念発起し、各流派の家元を専属の師匠に迎えたことでした。以来、各界のトップクラスが接待や遊び場・社交場として贔屓にし、街全体が一丸となって一流の芸者衆を育ててきました。

記事で焦点を当てたのは、「どうしても新橋芸者になりたい」との夢を実現させた二人の若手芸者・小花さんとちよ美さん。新橋花柳界の何が20代の若者たちを惹きつけるのか、彼女たちはこれからどのようにして押しも押されもせぬ「新橋芸者」に育っていくのか。

取材で見えてきたのは、新橋花柳界には若手を育てる豊かな土壌があり、芸事に対する真摯な気持ちが先輩から後輩へ連綿とつながっていること、そして芸者を志す若者自身が育つ力を秘めていることでした。小花さんの初々しさと意志の強さ、わずか三年でここまで成長したちよ美さんの覚悟……一流を目指す若手へのエールを込めて書きました。

では「一流とは何か」――。記事では、花柳流名取で置屋「千代田」主人のベテラン芸者・加津代さんと、江戸っ子・日本橋の旦那衆代表・榮太樓總本舗相談役・六世細田安兵衛氏の対談に、その答えを探ります。お二人は50年来続く、芸者とご贔屓客の関係。キーワードは、「お客ぶり」と「賓主互換」。頭の片隅に置き、日常の中で生かしていきたい、深い言葉でした。

東京人目次

東をどり へ行こう!」…新橋芸者衆総出演の晴れ舞台「東をどり」が5月21日~24日、新橋演舞場で開催されます。コンセプトは「新橋演舞場が料亭になる」。ふだんはなかなか触れる機会のない、一流どころ新橋芸者衆の舞踊と新橋料亭の食・酒を、年に一度、気軽に楽しめるチャンスです。

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